ある人の言うことや行うことが絶対に正しいなどということは、
それこそ絶対にありません。
また逆に、この人の言うことや行うことはすべて間違いということもありません。
誰が言ったから正しいとか間違いだとかではなく、一つ一つのことを別個に捉えて検証し、正か誤かを判断するという考え方が「是々非々」というものです。
日本人に欠けているのは、この是々非々の精神であると一刀両断しておきたい。
よく詐欺などに騙された人が
「信頼しているお医者様から紹介されたからてっきり……」
とか
「偉い大学教授の大先生もされていたので……」
などと言うのがよい例です。
とかく日本人は、一つの分野で優れていると他のことも何でもわかるや何でも出来ると思い込んでしまいがちですが、そんなことはあり得ないのです。
道を極めたプロフェッショナルほど、専門以外は素人以下なのです。
特に、金融教育をしていない我が国においては、どんなに偉い博士も社長も幼稚園児以下の金融知識と考えて間違いないでしょう。
萬田銀次郎がこんなことを言っていますが、つくづく真理だと思います。
「医者は泥棒を捕まえることは出来ないし、警官は病気を治せない!この事を分かっていれば詐欺にはひっかからんのだ」