2016年2月5日金曜日

積立通貨が上がれば、パフォーマンスは下がって当然

海外の年金積立をしている人の大半は、積立通貨に米ドルを選択していると思われます。
プロバイダーによっては、積立通貨に円を選択できるという日本人のことを考えてくれたところもありますが、ほとんどのプロバイダーはそこまで日本人のことに配慮して商品設計をしておりません。

それで、仕方なく米ドルや香港ドルあるいはユーロなどの積立通貨を選択されたのでしょう。

積立通貨が円ではない弊害は、実は二つあります。
一つはほとんどの方が実感されていることで、ここ数年の円安ドル高により、毎月の積立額が上がってしまっていることです。
まあこれは、たくさん貯蓄に回せていると考えるか、減額をすればいいのですが、もう一つの問題にはまったく気付いていない人が多いと思われます。


その問題とは、積立通貨であるドルが上がると、その上がったドルで評価したポートフォリオのパフォーマンスは悪く見えてしまうということです。

ポートフォリオが10%上がっても、その間にドルが10%上がると、ドルで評価したパフォーマンスはゼロとなり、ドルが15%上がるとマイナスの運用に見えることになるのです。

実際には、ドルが上がったことによりその分円換算額は殖える(為替差益)ので、私たち日本人にとっては+運用であるにも関わらず、ドルによる単純評価は元本割れに映ってしまうのです。


では、どうすれば本当の自分の運用成績をわかることができるのか?
面倒でも、以下のことを行うしかありません。

まず、今まで積み立てた積立の元本を円で集計してみてください。
そのためには、過去のカード明細をすべて引っ張り出して、毎月の円での請求額を知る必要があります。
この円での元本額は、将来満期金を受け取ったり取り崩しをした時の税務申告の際には必要となることなので、面倒でも今からエクセルなどで集計しておくことをお勧めします。

こうして、集計した今までの積立金の円貨合計額と、運用レポートなどに記載されている時価総額の円換算額を比較すれば、円でのパフォーマンス=本当の運用成績を把握することができるのです。

その運用成績は、ドルでの表面成績よりも良いはずです。