相撲協会としては八百長問題に世間が納得する処分を行う必要がありました。
しかも、処分した相手から訴えられないか、訴えられたとしても確実に勝訴できるようにしなければなりませんでした。
そこで、23人に出した処分内容が「引退勧告」でした。あくまでも勧めているいる訳です。これを受けて、「自主的に」引退届けを提出すれば訴える権利を失うこととなります。
しかしながら、拒否すれば解雇となり退職金を得ることが出来ません。
相撲協会は、事実はともかくとしてこれを飲むだろうと読んだわけです。
案の定、一人を除いて22人が従いました。
谷川親方だけが、後で訴訟を起こせる行動を取りました。22人と彼のどちらが賢明であったかはそれぞれの立場が異なるのでなんとも言えません。
ただ、協会は上手いなあと感心させられました。
税務署も実は同じ手を使ってきます。
納税者自らの意志で申告を修正する「修正申告」を税務調査では勧めてきます。
これに応じさせておけば、後から不服を申し立てたり裁判を起こしたりされないからです。
どうしても納得が出来ないときは、修正申告に応じずに「更正処分」されないといけません。
この場合は司法の場で争うことも可能となります。
0 件のコメント:
コメントを投稿