2015年3月27日金曜日

果たして本当に勧誘役を詐欺で立件できるか

 みずほ銀行本店応接室を舞台にした現役行員が行った詐欺事件。

前にもブログに書きましたが、私もこの投資詐欺の勧誘を四年ほど前に受けていました。


中々最もらしいストーリーだったのですが、次の2つが引っ掛かりましたので乗りませんでした。



一番の問題は、みずほ銀行とではなくその行員との金銭消費貸借になっていたことです。
しかも、元金も利金も振り込みではなく現金での受け渡しといういかがわしさ。
これは、銀行にではなく銀行員に金を預けるのであり、明らかに表に出せない裏金を運用すると偽って騙しとる計画だなと感じました。
(被害総額200億円とも言われたこの事件ですが、最近の報道では数十億円になっているのは表に出せないお金をやられ人が多いのではないかと推察しています)



 銀行員が個人受けするのは珍しいですが、相場がいいときに証券マンが個人受けしてその後の暴落で行方不明になるという事件は今までもありました。
また、保険屋が顧客に一時払いさせて個人受けし、保険証券を偽造するような事件も結構ありました。


金融機関自体は詐欺をしませんので、金融機関にお金を預けるのは安全です。
しかしながら、金融機関の人に預けるのは、最初から悪意を感じるので最も危険かもしれません。


金融機関特に銀行を盲信している日本人がほとんどなので、本店の応接室でしかも恰幅のいい肩書きのある現役行員による話を信じたのも無理はないでしょう。
しかしながら、あくまでもこの話は行員個人に金を貸すという契約だったのです。


それから、もう1つの乗らなかった理由は勧誘役の存在です。
私の時に提示されたのは、預ける元本に対して月に2%の利率でした。
その横でニッコリ微笑む勧誘役のA女史。

これは、マージンを入れたらもっと利率は高くなるな。と思いました。
後から調べると案の定、行員から勧誘役に出ていたのは月に8%だったようです。
そこから勧誘役が抜いた後の利率が、見込み客に提示されていたのでしょう。


月に8%は年に約100%であり、これは成り立たないなと思いました。


今回の事件。ある意味画期的なのは首謀者の元行員(当時はもちろん現役)だけでなく、勧誘役二人も逮捕されていることです。

他にも大口の勧誘役は複数いるようで、そこにも捜査の手が伸びているようです。


ただ、勧誘役を詐欺で立件出来るかどうかということには疑問を感じています。
何故ならば、詐欺罪が成立するためには「最初から騙す意図だった」ことを立証しなければならないからです。

善意だったが結果としてダメだったというのは詐欺にはなりません
それが詐欺ならば、倒産した会社や不渡りを出した経営者は全員詐欺罪になってしまいます。
それどころか、「君を幸せにするよ」と言ったのに離婚した人も詐欺罪となり刑務所が満員になってしまうでしょう。


行員本人は、当然すべてのからくりを企んで最初から騙す意図でやったことは明白です。

しかしながら、勧誘役をしていた人間は本当の話だと信じこんでいた可能性もある
もちろん、確信犯もいるでしょうが。


この区別は難しいかもしれませんが、勧誘役をした人間自身が自分のお金を預けていたか否かで判断できるのではないだろうか。
本当に信じていたならば、他人を勧誘する前に自分がやる筈ですからね。


そう言えば、私を勧誘したA女史は、自分も億単位で預けて毎月配当を貰っていると言ってたので、少なくとも彼女は確信犯ではなかったのだろう。


いずれにせよ、勧誘役を確信犯として詐欺で立件を本当に出来るのか?
それとも、不起訴になるのか?

私は、この事件はここに注目しています。

2015年3月25日水曜日

金利と利率と利息と利子と利回り

金利と利率と利息と利子と利回りの五つをキチンと対比させて説明できる人は、アシカとオットセイとアザラシとトドとセイウチを区別できるぐらい少ないでしょう。

まず、金利と利率はほぼ同じで、これは%を意味します。
また、利息と利子もほぼ同じで、これは金額を表します。

100万円を預金して、金利または利率が5%ならば、利息または利子は5万円ということになります。
先日つり革広告で「金利0円」というのを見ましたが、これは厳密に言うと誤りで、正しい表現は利息0円または金利0%でしょう。

金利と利率は、預金は金利で債券は利率という説もありますが、厳密には区別されずに使われています。

利息と利子は、借りたほうから見ると利息で貸したほうから見ると利子と言う説がありますが、まったく逆の説もあり、最近は明確な区別はありません。
敢えて言うならば、利息は口語的で利子は文語的ということかもしれません。
利子所得とは言いますが、利息所得とは言いませんので、利子のほうが固い言葉なのでしょう。

では、金利や利率と利回りはどう違うのでしょうか?

金利や利率が予定を表すのに対し、利回りは結果を示すと覚えておけば良いでしょう。
例えば、100万円を利率5%で5年間複利運用したとしましょう。

5年後には、1,000,000円×1.05×1.05×1.05×1.05×1.05=1,276,281円となります。
5年間で得た利息合計は276,281円で、年あたり55,256円なので、利回りは5.5256%と言うことになります。

預金の場合には元本が変動しませんので、利率を複利計算して単利に置き換えたものが利回りとなります。

債券の場合はもう少し複雑になります。
額面100万円、クーポン利率5%の債券を5年間保有後に110万円で売却した際の利回りを考えてみましょう。
5年間で得たクーポン利息が25万円、そして売却益が10万円ですからトータルリターンは35万円。
これを100万円で割ると、利回りは7%ということになるのです。

2015年3月9日月曜日

新刊が出来ました

しばらくブログを更新していなかったのは、本を執筆していたからです。

題名は「あなたに成功と豊かさをもたらす営業の極意」

内容は、コンサル型営業のノウハウ書となります。

コンサル型営業というのは、見込み客が抱える様々な問題の解決策として自社商品を提案するという営業スタイルのことです。

健康上や美容上の問題の解決策として、健康食品や化粧品や美容機器などを販売する方。
保険の見直しや資産運用などお金にまつわる相談ごとに応じるファイナンシャルプランニング業に携わる方。
副収入を得られる方法として、連鎖販売やアフィリエイトを提案する方。

このような、問題解決業ともいうべき営業に関わる方々にとっては非常に興味深い内容になっておりますので、読んで感想をお聞かせ願います。