2015年11月3日火曜日

最新の投資詐欺の「エグイ」手口

投資詐欺には一定の型があることを前述しました。                                                                                    投資家から一括でまとまったお金を預かる。                                                                                        それをFX、日経225などで運用した利益から、毎月投資家には配当し、エージェントと呼ばれる代理店にはマージンを支払う。                                      代理店から勧誘された投資家は、運用を行う胴元に直接お金を振り込むという完全斡旋型が従来の投資詐欺の主流でした。                                      古くはオールイン、121ファンド、スピーシーアービトラージなどこの型の典型です。                                                                 胴元は運用益から(本当は運用などしていませんから、実際には新規の投資家のお金から)一次代理店に月8%の権利を与える。                                   一次代理店はそこから3%抜いて5%の権利を二次代理店に卸す。                                                                         二次代理店はまた3%抜いて2%の配当権利を投資家に渡す。                                                                            そして、このマージンの仕組みも完全斡旋型になっておりました。                                                                           投資家には月2%の配当が直接胴元から支払われ、一次代理店及び二次代理店には差額マージンが月3%直接胴元から支払われていました。                         このような完全斡旋型の投資詐欺の場合、投資家は直接胴元にお金を預けていますので、破綻した場合の矛先は胴元に一極集中します。                             代理店はあくまでも斡旋や紹介をしただけで、お金のやりとりを投資家とはしていませんでした。                                                        そのため、胴元だけが責任を取らされてきたのです。                                                                                   詐欺師(胴元)たちは、これでは割りが合わないと考えたのでしょう。                                                                          最新の投資詐欺においては、お金の流れを一新し、胴元が責任を負わされず、末端の代理店に責任を集中して押し付けるというシステムにしたようです。                    まず、二次代理店に自社社債を発行させて投資家からお金を集めさせる。                                                                     二次代理店がそうして集めたお金を一次代理店に預けさせる。                                                                            そして一次代理店は胴元に預ける。                                                                                              マージンも、胴元は一次代理店に支払う。一次代理店は二次代理店に支払う。                                                                   そして二次代理店が投資家に配当(社債のため実際は利払い)を行う。                                                                        いかがでしょうか?                                                                                                        この進化した投資詐欺の手口においては、投資家はあくまでも二次代理店の社債を購入した訳で、破綻した場合の矛先は当然ながら二次代理店に向かいます。               胴元はあくまでも一次代理店としか取引をしていませんから、投資家から訴えられるリスクがありません。                                                  二次代理店がお金を預けたのは一次代理店ですから、二次代理店は胴元を詰めることも出来ません。                                                    胴元は、従来の完全斡旋型のまったく逆で、最も安全な立場になっているのです。                                                                 この新しい手口においては、社債を発行して投資家からお金を集めた二次代理店が一極集中でババを掴まされたことになります。                                   投資家から訴えられるのは二次代理店。                                                                                          また、形式上は少人数私募債でお金を集めていますが、実態は運用資金を集めておりファンドの募集ですから無登録第2種金融商品取引業ということに問われかねません。        最新の投資詐欺の胴元はエグいですね。すごい悪知恵です。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

毎回毎回、久保さんのご意見通りの詐欺師がいると心底感心しております。
詐欺師はあの手この手で欲深い人を騙し、捕まらないように毎回形を変える。
今回ご指摘の新しい詐欺の手口の背景には、事業をやっていると勘違いしている者たちの、
金融に関する知識不足があると思いました。
「金融法」に関する知識のご指導もお願いいたします。
特に「匿名組合」や「私募債」などとあたかも合法的に近づいてくる輩の手口、暴いてください。
よろしくお願いいたします。

匿名 さんのコメント...

AJOLの時はありがとうごいまいた!
今思えばあの時私も詐欺にあっていたんだと思います!
良い勉強になりました