2011年2月4日金曜日

バーナンキ発言の欺瞞性

バーナンキFRB議長が記者会見で次のような発言をした。
「原油などの商品価格の高騰によって、アメリカ国民のせっかく増えた所得が毀損している。商品価格の高騰はアメリカの金融緩和のせいではなく新興国の成長のせいだ」
金融緩和によるドル安政策によって産業は立ち直り国民の所得も増えました。自国の通貨を安く誘導すると、輸出が促進され製造業が良くなり、企業も個人も収入が上がることとなります。通貨安は収入面はプラス効果をもたらすのです。
しかし、ドル安は米国民にとって輸入物価の上昇を同時にもたらします。原油、金、食品などの商品価格が高騰しているのはドル安のせいです。
金価格は米ドルベースでは最高値を更新していますが、円ベースではちっとも上がっていないことがすべてを物語っています。
このように自国の通貨が安くなると消費支出が大きくなり資産は減ります。資産面、支出面からは通貨安はマイナスなのです。
このことをアメリカ国民に気付かせないための発言としか思えませんね、彼の発言は。

そして、このことは日本の近未来を暗示していると思われます。
日本はいずれは円安政策をとるか円安になってしまうかということになるでしょう。
円安になると、景気がよくなり収入も上がる。しかし、その反面支出が増えて円資産は確実に減ることとなるのです。
ほとんどの国民がここをわかってないだろうな。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

先日は二カ月ぶりにお行きあいできて良かったです。

いつものことながら大変わかりやすくとても納得できる内容でした。

一緒に参加した友人も大変感銘を受けておりました。

早速久保先生の新作の『億の富の作り方』の注文もさせていただき楽しみに待っております!

長野 ろまん