元本保証と元本確保の違いを分かっている人が意外に少ないのには驚かされる。
この二つは異なり、対応する金融商品も違います。
元本保証を謳ってもいいのはいつ解約しても元本が保証されている場合に限られます。
一方、元本確保は一定の条件のもとに元本が償還される場合に謳ってもよいことになっています。
いつ解約しても元本が保証される金融商品は預貯金以外はあり得ません。
元本確保の典型的な金融商品は債券です。
国債や社債は、償還日まで持っていれば元本が還ってきます。
しかしながら、途中での売却の場合には元本割れすることもあります。債券価格は変動するのです。
ですから債券は預金よりもリスクが高く預金よりもリターンも高いのです。
例えば、来年9月償還のシャープの転換社債の現在価格は70円ですので償還まで持っていれば70万円が100万円になる計算になります。
しかしながら、中途売却ならばいくらなるかはわかりませんし、償還日までにシャープが倒産すれば紙くずになる恐れもあります。
それから、変額年金保険や証券会社で株式や債券やファンドを購入した場合に保険会社や証券会社が破綻した際には分別管理ルールにより時価の100%は保護されています。
時価に対して100%保護されているというのを、元本が100%保証されているというように聞こえてしまう人や話してしまう人がいることにも驚かされます。
保護されているのはあくまでも時価であり、時価自体が元本を大きく下回っていることもあるのです。
もちろん、時価が元本を上回って運用益が出ている場合はそれも含めて保護ということです。
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