2014年8月23日土曜日

文明とは、快適さを追求した自然への挑戦であり、そもそも危険なものである

昨年日銀が大胆な金融緩和を行い、為替レートは大きく円安ドル高に振れました。

日本経済の規模拡大のためにはもう少し円安のほうがいいのだが、市場の期待と裏腹に日銀は一向に追加緩和をしません。

これは、アメリカとの駆け引きもあるのだろうが次のようなことも考えられます。

円安になれば輸出が拡大し、インフレにもなりGDP上昇が期待できます。
ですから、1$=110円以上の円安が日本経済の規模拡大には必要でしょう。

反面、円安に振れれば輸入価格が高騰します。
特に、燃料のほとんどを輸入に頼ってる以上、この影響は大きいでしょう。

現在、原発は停止していますので発電のメインは火力発電です。
これ以上円安に出来ない理由の一つに、この問題があるのでしょう。

火力発電は、燃料が必要なのでもろにコスト高になるからです。
また、火力発電はたくさんの二酸化炭素を排出するので、原発よりも遥かに環境に悪いのです。

このまま、原発を稼働させないと、日本経済には悪影響が続くでしょう。


もちろん、原発の危険性を肯定するわけではありません。

しかしながら、危険だから動かさないというならば、自動車も危険です。
自動車のほうが遥かに高い事故率です。


原発事故は自動車事故とは比べ物にならないぐらい重大事故なのだというならば、飛行機はどうでしょうか?


家やマンションやビルがあるから、火災も起きれば地震で倒壊して人を殺してしまう危険性がある。
すべての文明の利器は同じだと思います。

文明とは自然への挑戦です。
人間が文明をすべて捨てて、原始生活に戻れば、自動車事故も飛行機事故も家事も原発事故もまったく無くなり、環境破壊もなくなります。

でも今更不便な生活に戻るのは現代人には無理でしょう。

文明は快適さをもたらすが、同時に危険ももたらします。
すべて同じだと思います。
ですから私は、原発だけを特別視する考えには賛同できないのです。


2014年8月11日月曜日

保険商品の構造②

保険料(年金保険料含む)=純保険料+付加保険料

商品やサービス=原価+マージン


保険会社の商品も一般の商品やサービスと同じで、原価(純保険料)とマージン(付加保険料)で成り立っています。

一般の商品との最大の違いは、この比率が年度によって異なるということです。


例えば、健康食品などを毎月1万円定期購入したとしますと、初年度のマージン比率が40%ならば二年目も三年目も四年目もこの比率は毎年同じです。

保険だけが異なります。
初年度は大半が付加保険料であるのに対して、年月の経過とともに純保険料の割合が増える構造になっているのです。
こんな構造は、保険商品だけです。

これは、保険マンのモチベーションを上げる非常に有効な方法になっています。

なぜ、保険商品(年金保険商品含む)だけが初年度マージン比率を高められるのでしょうか?

それは、解約返戻金や満期金(あるいは保険金)を支払うのが遠い将来であり、複利運用による時間の効果を使えるからなのです。

35%の原資(純保険料)を毎年3%で複利運用すれば、35年後には100%に復活します。


死亡保険金を支払うことは滅多にないことです。
満期金を支払うのは遠い将来です。
早期に解約されたらほとんど解約返戻金は支払わずに済みます。

この仕組みがあるから、保険会社は初年度保険料の大半をマージンに回すことが出来るのでしょう。

2014年8月6日水曜日

保険商品の構造

 保険会社が販売している保険商品(個人年金保険商品含む)は、万国共通の構造を持っています。


保険料(年金保険料含む)=純保険料+付加保険料


純保険料は、純粋に保障や貯蓄に回る加入者のために使われる部分です。

これに対して、付加保険料は保険会社の事業費に使われる保険会社側のための部分です。
事業費には、保険会社の維持経費と利益にさらに、保険代理店や保険募集人のコミッション(手数料)が含まれます。


そして、初年度に加入者が支払う保険料が付加保険料に回る比率は驚くべき数字になります。

実に、初年度保険料の半分以上は付加保険料つまりは営業マージンなどに回るのです。
この比率が半分どころか7割~9割の商品も珍しくはありません。


この構造は洋の東西を問わず、万国共通です。


保険会社の商品は、初年度保険料はほとんどが保険会社サイドのために使われ、2年目保険料も半分近くは付加保険料に回り、ようやく三年目以降の保険料から加入者のために使われるという構造になっているのです。


私は、この構造を悪いと言いたい訳ではありません!

 人海戦術で広げるには、保険マンに初年度手数料を厚くして営業モチベーションを上げるのは極く当然のことです。

現に、付加保険料を極限まで下げて、保険料が安いことを売りにしているネット生保の業績が芳しくないことからもこの戦術が有効であることが確認されています。



大事なことは、この保険商品や個人年金商品の構造を理解した上で加入者は加入すべきであるということです。


初期の保険料のうち、純保険料はわずかです。
しかしながら、そのわずかな純保険料は長期の債券などに投資されて複利運用を受けることによっていずれは支払い保険料額まで回復してきます。

さらに、三年目以降の保険料は、ほとんどがそもそも純保険料になります。


こう分析すると、保険会社の商品は、長期間加入を続けていれば元が取れるように出来ています。


ですから、一番損するのは早期に解約することなのです。