2015年5月28日木曜日

カード手数料の真の負担者②

カード加盟店が10,000円の商品をカード客に売った場合、回収できる代金は5%のカード手数料が差し引かれた9,500円となります。

一方、同じ10,000円の商品を現金客に売ると、10,000円が回収できます。

そうなのです。
同じ値段で売った場合、カード客に掛かるコストを、現金客に転嫁しているのです。


このように、カードと現金で同じ値段である場合には、カード手数料を真に負担するのは現金客になるのです。
ですから、この場合はカードを使わないと損します。

では、カード手数料を代金に上乗せした場合はどうでしょうか?

この場合は、カード手数料の真の負担者はカード客になりますが、カード会社は上乗せを嫌がるので、これがバレると加盟契約が打ち切られかねません。


カード手数料を代金に上乗せするのがダメでも、現金客に割り引きするのは構わない!
というのをガソリンスタンドは上手く使っています。
つまり、表示価格がカードの代金で、現金客は5%引きとかにしているのです。
ガソリンを入れる前に、現金かカードかを聞かれるのは、値段を変えているからです。

また、ヨドバシなど、カードと現金で価格は変わらないが、付くポイント数を変えているところもあります。


以上のように、カード客と現金客で、まったく代金や付随サービスに変わりがない場合には、カード手数料の真の負担者は現金客であることをよく理解しましょう。

カード手数料の真の負担者

カード加盟店において、10,000円の支払いにカードを使った場合、カード会社から加盟店に支払われるのは10,000円ではありません。

一般的な加盟店で5%が差し引かれ9500円が支払われます。
(一部の優良店でも3%で、風俗営業だと7%以上の場合もあります)


このように、カードを使った場合には、利用者は無料で、加盟店が手数料5%を負担するというように表面上はなっています。


但し、これはあくまでも表面的なことで、実際の負担者は異なるのです。


賢明な消費者は、次の二つのことを理解しておくべきです。

①「世の中に只のものはない!」

②「すべての事業コストは、最終的にはすべて消費者に転嫁される」


例えば、送料無料の通信販売があります。
通販会社は、送料というコストを負担しますが、それは当然商品価格に転嫁されます。
ですから、送料無料ではなく、「送料は商品代金に含まれています」というのが正しい表現です。


〇〇ホテル、朝食無料!
という看板を朝見て、プラッと入った人が朝食を只で食べられますか?

宿泊客限定である以上、「朝食代は見た目は無料ですが、宿泊費に転嫁されています」が正確な表記なのです。

宿泊客は駐車場無料や、買い物すれば駐車場無料も同じことです。
ホテルやスーパーなどは駐車場コストを負担していますから、それを宿泊代金や商品代金に転嫁して上乗せするのは当然のことです。

ここで一番の問題は、どういう客がそのコストを負担しているか?
ということなのです。


ホテルの駐車場で考えてみましょう。

まず、駐車場代が宿泊客無料(実際は宿泊代に含まれている)の場合。

車で来た宿泊客は、駐車場代込みの宿泊代金を支払いますが、駐車場を使うという役務提供を受けているのでプラスマイナスはなしです。

一方、車ではない宿泊客は駐車場を使っていないのに、駐車場代込みの宿泊代金を取られます。
これは非常に損なのです。

このように、そのサービスを内包式にすると、そのサービスのコストを真に負担するのは、そのサービスを使わない客となります。


次に、駐車場代が別途請求される場合。
車以外の客は、駐車場代を負担せず、駐車場を使う客が駐車場代を支払います。

サービスを別途料金にすれば、サービスのコストはそれを使う人に転嫁されます。


もうお分かりですね。

クレジットカードを使っても、現金で支払っても、普通は同じ金額です。

つまり、クレジットカードのサービス料は商品代金に内包されているのです


ということは、カード決済手数料5%というコストは、カードを使わない現金客に転嫁されているのです。

2015年5月10日日曜日

ヤミ金どころではない!凄まじい実質金利

マンガや映画・ドラマで有名なトイチのヤミ金萬田銀次郎は、10日で1割(年利率365%)の金利を取る高利貸しです。
また、ヤミ金にはトサン(10日で3割)やトゴ(10日で5割)という高利もあります。


しかしながら、ヤミ金が可愛く思えるぐらいの凄まじい実質金利を取っているところが日本に堂々と存在しています。

それは、カード会社です。

クレジットカードをリボ払いにした場合の金利が高いことや、永遠に金利を貪る仕組みだなどとの批判がネット上には散見されますが、こんなこともこれから述べることに比べれば甘い甘い大甘なことなのです。


クレジットカードを一回払いで利用すると、利用者には金利が掛かりません。
それどころか、ポイントやマイルまで付けてくれます。
無金利後払いでポイント付きという、消費者にとっては夢のような仕組みなのですが、では?カード会社はどうやって利益を得ているのでしょうか?


結論から言いますと、カード会社はカード加盟店という業者側から加盟料という名の決済手数料で儲けています。
そして、その手数料の実質金利が凄まじい利率なのです。


順を追って説明しましょう。

利用者がカード加盟店で10,000円をクレジットカード決済したとしましょう。
お金の流れは、カード会社が加盟店に立て替え払いをし、約一ヶ月後に利用者から銀行引き落としにて回収します。

この立て替え払いを10,000円(100%)していれば、カード会社は完全ボランティアでとっくに潰れているでしょう。


カード会社は、立て替え払いの際に平均的には5%の手数料を差し引いて9,500円を加盟店に支払います。
(かなり優良な加盟店で3%、通信販売や水商売の場合には7%以上の場合もあります)

そして、利用者の銀行口座からは10,000円を回収するのですから差額の500円(5%)が儲けとなります。


私は、長年、カード会社は立て替え払いをしてから一ヶ月後に回収するのだから月利5%を得ているのだと思い込んでいました。
これでも、年利率60%なのですから凄い金利です。(金利や利率と言うと、利息制限法の枠を越えるためにわざわざ加盟料という名の決済手数料としているほどなのですから)


ところが、よくよく考えてみると、カード会社は一ヶ月間も立て替え払いをしていないのです。

利用者が加盟店でクレジットカードを使っても、直ちにカード会社は加盟店に立て替え払いしてくれる訳ではありません!
だいたい、月末締めの翌月末に利用代金の95%が支払われることが多いのです。

つまり、カード会社は立て替え払いをしていないのです。
ということは、月利ではなく日利5%であり、年利率はなんと!1,825%!という凄まじい金利だ!

それどころか、利用者からの回収が先で、加盟店への支払いが後ということもあるでしょう。
そうなると、金利は無限大となります。


私は何も、カード会社が悪いと言っているわけではありません。
ショップや飲食店などが加盟店になるのは、カード客を集客できるからであり、そのコストを負担するのも当然と考えているのですから。

では、一見加盟店が負担しているこの決済手数料というコストは、本当は誰が負担しているのでしょうか?
それについてはまた次回。