日本は戦後1950年から1990年まで著しく経済成長した新興
国でした。
この時代はまた大変なインフレ期で物価が何倍にも上がりました。
経済が成長して所得が上がり、「国民の購買力が増えることにより物価が上がる」という良性のインフレです。
良性のインフレには、通貨高と高金利が伴います。
この間は円高が進行していました。
つまり、経済成長によるインフレは通貨の価値が下がるのではなく「物価が上がっていた」のです。
もちろん、株価も不動産価格も上昇していました。
円高を伴っていましたので、諸外国から見ても(ドルベースで考えても)、上昇していたのです。
これに対して、アベノミクスによるインフレは「通貨の供給量を増やし、通貨の価値を下げる」という原因から起きるインフレです。
円が大量に出回ることで。円の価値が下がり、「相対的に物価や株価や不動産価格が上がるように見える」インフレです。
つまり、物価が上がるのではなく「通貨の価値を下げる」のです。
アベノミクスにより、株価は大きく上昇し、不動産価格も少しは上がりましたが、これは円に対しての相対的価値でありあくまでも円ベースでのことです。
この間、円自体が下がっているので諸外国から見れば(ドルベースで考えれば)、株価は大して上がってはおらず、不動産価格に至ってはむしろ下落していることになります。
このように、経済成長を伴わないインフレは通貨高と高金利を伴わないのです。
日本のインフレ政策に対していかに自身の個人資産を守るか殖やすかということを考える際には、これからのインフレはかつてのインフレとは根本的な原理が異なるのだということを是非とも理解しておいていただきたいと思います。
1 件のコメント:
久保さんにはいつもお金の稼ぎ方、残し方、日本経済、世界経済を教えて頂き、大変感謝しております。
経済成長時のインフレと、アベノミクスのインフレの違い良く分かりました。
これからも勉強して行きますので宜しくお願い致します。
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