2011年5月31日火曜日

国民の資産を脅かす日本特有の問題点④-3

日本の伝統的な保険会社があまりにも加入者のためにならない過剰な保障を売っているということを指摘することで、存在感を示したのがカタカナ生保と呼ばれる生命保険会社です。外資系にソニーなどの異業種からや損保からの参入も加わって生命保険業界は群雄割拠の時代を迎えたのがおよそ十年前からです。
さまざまな業種から優秀な営業マンをヘッドハンティングして、コンサルティングセールス=間違った保険を見直しますよという攻勢を伝統生保の既存顧客にかけたのです。
ここで本当に理に適った見直し方をしていれば、本当に顧客のためになったでしょう。
子供の成長とともに死亡保障額が減っていく「収入保障保険」や「逓減定期保険」を勧めていれば真に加入者のための保険の見直しと言えたでしょう。
ところが、本当に必要な死亡保障額だけでは掛け金が少なくて、保険会社にお金が集まらず保険マンの収入も少なくなる。
そこで彼らは次のような見直しを行ったのです。
日本の伝統生保は「高額の掛け捨て」保険を売りました。
本当は掛け捨てが問題なのではなく高額が問題であるにも関わらず、掛け捨てであることを問題視して保障と貯蓄をセットにしたいわゆる「貯蓄性の保険」と言う本来はありえない保険商品を売ることを主としたのです。
「掛け捨てはもったいないですね。生涯の死亡保障があって尚且つ貯蓄にもなる終身保険がお得ですよ」と言うトークで、定期保険特約つき終身保険の加入者をやはり高額の終身保険に切り替えさせる手法で業績の急拡大がなされたのです。
これの何が問題なのかは次回に解説しましょう。

2011年5月25日水曜日

国民の資産を脅かす日本特有の問題点④-2

多くの国民の金融資産を目減りさせてきた王者と言えば生命保険会社でしょう。
生命保険は必要な分量を必要に応じて掛ければ有効なものです。しかしながら余分に掛けたり不必要な人が掛けたり、不必要な金融商品と抱き合わせて売られたりするとこれほど無駄なものはありません。
生命保険(死亡保障)はそもそも誰のために必要なのでしょうか?
自分が死んだときに「金銭的に困る人」のために掛けるのです。独身者で親を受取人にして加入している人がいますが、死亡時に親は悲しみますが困りはしません。
死亡保障は子育てのために必要なものなのです。
したがって、独身者や子供のいない家庭や子供の巣立った家庭にも必要ありません。
また、子供の成長とともに必要な保障額は減っていきます。子供が幼い時に父親が死ぬのと大学生になってから死ぬのとでは子育て費用は大きく異なります。
生命保険は死亡保障金額が段々と下がっていくタイプの保険が利に適っているのです。逓減定期保険または収入保障保険が適正な生命保険といえましょう。
さらに、住宅ローンを払っている場合は団体信用生命保険というのに自動的に加入していることでしょう。死亡時にはローン残高が免除されます。これは毎年減っていくローン残高が死亡保障額となる適正な逓減定期保険と言え、これだけで十分な家庭が実はほとんどなのです。
このように生命保険は必要な時期に必要な死亡保障額を掛ければ本当に生活者にとって不可欠なものなどです。
自分と周りの人達がこのような理に適った保険の入り方をしているかどうかをチェックしてみてください。きっと驚くでしょう。
ほとんどの人が60歳や65歳まで一律の高額死亡保障が続く「平準定期保険」やこれと終身保険を組み合わせた「定期保険特約付き終身保険」に加入させられていると思います。
65歳までに人間が死ぬ確率はわずかに9%しかありません。高額の掛け金は90%以上の確率で保険会社の丸儲けとなるわけです。
生命保険会社のたくさんのビルが建ったのも頷けますね。
日本の保険会社は本来必要のない時期に必要額を遥かに上回る高額の保障をかけさせて、国民の資産を奪ってきた歴史があるのです。

国民の資産を脅かす日本特有の問題点④-1

日本人は日本の金融機関を盲信しています。
ところがその金融機関に食い物にされてきた歴史が現実としてあるということをそろそろ認めるべきでしょう。
バブル崩壊後の地価の下落によって住宅価格は暴落し、多くの国民のバランスシートは債務超過となりました。家を売ってもローンを返しきれない状態となったのです。
担保物件を明け渡しても、さらに借金が残る現象を日本国民は当たり前と思い込んでいますが、世界の常識とは異なります。
海外の銀行ローンなどはノンリコースローンが当たり前です。
担保に取られた不動産を放棄するだけで借り手はそれ以上の責任は負いません。
担保物件が予想以上に下がった責任を銀行が取るというシステムだから、住宅バブルが崩壊してもアメリカ国民の傷は浅くて済んだのです。
一方、日本の銀行は担保物件の見積もりミスまで借り手に責任を求めるという不条理なローンシステムによって日本国民を苦しめてきたのです。
「家を失ってさらに借金も残る」仕組みが人々を絶望に追い込んだと言っても過言ではないでしょう。最も自殺者を生産した業界が銀行業界だと言われています。
また、数年前からは証券会社と組んで投資信託を販売して、その後のリーマンショックによってまた国民の資産を目減りさせた現実があります。
銀行や証券会社とは本当に上手くつきあわないと今後も資産は減ることとなるでしょう。

国民の資産を脅かす日本特有の問題点③

国家財政が破綻すると物凄いハイパーインフレとなって通貨が大暴落します。
国家破産によるハイパーインフレは物価が上がるのではなく、円の価値が暴落します。したがって、この対策としてはドルやユーロなどの先進国通貨を持つことも有効です。(もちろん新興国通貨保有も有効)
新興国の台頭による、インフレと国家破産によるハイパーインフレは本質がまったく異なるので両者を混同しないようにしましょう。
また、国家破産が実現すると預金封鎖が発令されて金融機関の中のものがすべて国に没収されることとなります。円預金だけでなく、外貨預金や外国債・外国株式、投資信託、外貨建ての保険などに加えて貸金庫の中身まで。
この対策としては自宅にすべての現物を置くか海外の金融機関に直接預けるかしかありません。
一方、国家の財政破綻を回避しようとすれば増税やインフレ(円安)政策が行われ、国民の資産が目減りすることは必至となるでしょう。
どちらに転んでも、国民の円資産は目減りや暴落することとなるのです。
以上の①②③にそれぞれ対策を個人ベース家庭ベースで考えて実行することが早急に求められています。

国民の資産を脅かす日本特有の問題点②

世界の生産・製造の中心は中国・インド・ブラジル・ベトナム・タイなどの新興国に移っています。
新興国で生産・製造されたものがアメリカ・日本・イギリス・フランスなどの新興国に輸出されているのです。
新興国通貨(人民元・ルピー・レアル・ランド・バーツなど)を安いままにしておくと新興国製品の輸入価格が安過ぎることとなり、先進国の産業が潰れてしまいます。
そこで、アメリカが中心となって新興国の輸出競争力を抑えるために(自国の産業を守るために)圧力をかけて人民元などの新興国通貨を切り上げているのです。
今後は新興国通貨高・先進国通貨安が予測されます。
ここのところ円はドルに対しては円高が進行しましたが、元やレアルに対しては既に円安傾向が現れています。
現在日本は食料品の60%を輸入に頼っています。国産の米などもその肥料や農薬は輸入しています。原油は100%輸入しています。プラスチックなどの石油製品も為替の影響を受けます。原材料は輸入に頼っていることを考えれば、すべての物価が為替レートの影響を受けるといっても過言ではないでしょう。
新興国通貨高・円安が進行すると物価が上昇するインフレとなります。
インフレが進行すると消費支出が増えて国民の資産は減ることとなります。
インフレヘッジとして、外貨建ての保険などの金融商品を勧めてくる人がいたら要注意!
ドル建てやユーロ建てでは、新興国の台頭に対するインフレヘッジにはなりません!先進国通貨は新興国通貨に対しては下がる運命だからです。
レアル建ての終身保険や人民元建ての年金であればインフレヘッジとなるでしょう。

国民の資産を脅かす日本特有の問題点①

戦後の日本は人口が激増したことによって経済発展しました。
人口が増えれば土地が足りなくなり地価が上がり、内需が拡大して経済は成長します。
しかしそれも2006年がピークで、既に我が国の人口は減り始めています。2050年には一億人を割り込み、2100年には5000万人以下になるという深刻な激減が予測されています。
人口が減るとお店への来客者は減り、ホテルの宿泊客も減り、物が売れる量もおのずと減るという内需縮小が起こります。
土地や住宅は余り始め、マンションなどは深刻な空室問題が起きゴーストタウンができることでしょう。
そうなると、国民が所有している不動産価値は目減りどころか暴落することは必至でしょう。
人口減少問題を解決しない限り、日本の不動産には魅力がないのは小学生でも理解できる論理です。にも関わらず、今から不動産経営オーナーになろうとしている人はおめでたい限りであり、それを勧めることは「確信犯」と言わざるを得ないでしょう。