2014年6月7日土曜日

収支計算と損益計算が一致する経営


収入-支出=収支
収益-費用=損益

 収支と損益は通常一致しません。


掛け取引が通常なので、収益(売上)計上時に直ちに現金入金がある訳ではなく、現金収入はその1ヶ月ぐらい先にずれます。

また、支出したお金のすべてが直ちに費用になるわけではありません。
販売用商品(棚卸資産)は、仕入れた時に費用に出来るのではなく売れた時に売れた分だけを売上原価という費用に計上出来ます。
車や機械などの固定資産は支出したお金が直ちに費用になるのではなく、耐用年数に応じて減価償却費という費用を少しずつ計上することになります。


 収益がすぐに収入にならずに、支出したお金は直ちに費用にはならない。


これでは、収益-費用で計算された利益はたっぷりあるにも関わらず、収入はまだ入って来ず支出は沢山先に出ていったからまったく手元にお金がなく、税金が払えない。という状況が生まれ、黒字倒産が起こることになりかねません。



経営者は、手元に資金(キャッシュフロー)を残すキャッシュフロー経営を心掛けなければなりません。


掛け取引の早期回収、支出≦費用になる工夫などが経営者の腕前となります。


ところが、経営者に特別な手腕がなくても収支計算と損益計算が一致する簡単な経営が存在します。

それが賃貸不動産経営です。


賃料は管理会社が当月分を前月末などに賃借人から徴収し、当月の月初に賃貸人に支払います。

そうです。
収益の計上と現金収入時が一致するのです。

また、支出と費用も一致します。
これは例を上げて説明しましょう。


賃貸不動産1億円(土地二千万円、建物八千万円)を自己資本二千万円、銀行借り入れ八千万円で購入したとしましょう。

ちょうど建物代だけを借り入れた計算になります。


通常、返済期間=建物の残存耐用年数であり、これを計算の簡単な20年間としましょう。


元金均等返済を選ぶと、年間の元本返済額は四百万円。
一方、建物の減価償却費も年間四百万円になります。

賃貸不動産経営の主な支出であるローン返済のうち、利息部分は費用になるので利息分に関しては支出と費用は完全に一致します。


ところが、元本の返済は、単なる資金移動なので損益取引ではなく費用には計上出来ません。
 元本の返済は、支出はあるが費用にはならない。

一方、建物の減価償却費は支出はないが、費用となる。
これが上手く相殺されれば、支出と費用は一致するのです。


残存耐用年数=返済期間で元金均等返済ならば、元本返済額と減価償却費は完全に一致することになります。

(元利均等払いにすると、元本返済額≦減価償却費となり、さらに手元資金(キャッシュフロー)を残し易くなります)



このように、賃貸不動産経営は特に意識しなくても収支計算と損益計算が一致することになり、経営手腕がなくても自然にキャッシュフロー経営が出来るのです。


だから、貸不動産経営はプロでなくても沢山の成功者が生まれているのでしょう。

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