資産の時価には、購入時価と売却時価という二つの時価が存在します。
購入時価とは、購入市場における再調達化価額を言い、要するにその資産を今再度買い直すのにいくら要するかという時価です。
売却時価とは、売却市場における時価で、その資産を今売却するといくら得られるのかという時価となります。
では、この購入時価と売却時価はどちらのほうが高いと思いますか?
答えは、本業か否かによってまったく逆になります。
車の例で考えてみましょう。
もし本業が車屋であれば、車を仕入れてくる購入時価よりも売却する売却時価のほうが高くて当たり前ですよね。
購入時価のほうが高いと、商売は成り立たなくなります。
このように、本業を行うものが仕入れ価額にマージンを乗せて売却価額を決めるので、資産の売却時価のほうが本業を行う者にとっては高くなります。
では次に、車屋以外のものにとっての購入時価と売却時価を比べてみましょう。
現在乗っている車を再調達してくる金額と、売却して得られる金額はどちらが高いですか?
これは、再調達価額のほうが高いでしょう。車屋のマージンが乗ってますからね。
以上のように、
プロにとっては、購入時価(仕入れ価額)<売却時価(販売価額)
素人にとっては、購入価額(再調達価額)>売却時価(処分価額)
となるのです。
こう考えると、棚卸資産(本業用の商品・製品)以外の資産については、売却時価が公正な評価額であることは当然でしょう。
このようなことは会計上の基礎であり、経営者たるもの税理士や税務署と対等に会話をするためのたしなみにしておきたいものです。
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