2014年11月9日日曜日

絶対価値というもの

お金の価値は、財(商品)やサービスをどれだけ買えるか?ということにあります。

ですから、同じ100万円でもその時その時の価値は異なります。


例えば、車を日常生活や仕事に使っている人にとってのガソリンはまさに必要不可欠な財と言えます。
そういう人たちにとっては、ガソリンはまさに資産の絶対価値を表す単位となります。

1リッター100円の時の100万円という資産の絶対価値は10,000ℓです。
それが、1リッター160円になった今は、同じ100万円の資産は6,250ℓの絶対価値に大きく下がっています。
これは、ガソリンが上がったのではなく、円の絶対価値が下がったのです。


ガソリンの元となる原油は、多くのものの原材料や燃料となるので、原油を何リッター買えるのか?と言う「原油目盛」は、結構絶対価値に近いでしょう。


現在、円は金融緩和まっただ中でどんどん刷られています。
ですから、「円と言う目盛」は、”絶対に”「絶対価値」を表す目盛にはなりません!


これは、ここ数年間のドルにも同じことが言えます。
リーマンショック後のドルをどんどん供給していた数年間は、ドルは絶対価値の目盛にはなり得ませんでした。
この間、原油や金がドルベースで物凄い高騰した時期がありましたが、あれは原油や金の絶対価値が上がっていたのではありません。
ドルの絶対価値が下がっていたのです。
原油や金が上がって下がったのではなく、ドルが下がって戻ったのが絶対価値と言う観点からの見方です。


今年で、米国は金融緩和を終了しました。
一方、日本は金融緩和を拡大(QE2)しています。

ドルの過剰供給は是正されましたので、これからはリーマンショック前のように「ドルと言う目盛」は絶対価値を表す「正常な世界的な目盛」に戻るでしょう。


一方、円はどうでしょうか?
日に日に供給量が増えて、円そのものの絶対価値が下がっていくのですから、「円と言う目盛」は単に円建て価格=円に対しての財やサービスあるいは資産の相対価格を表す目盛と捉えておくのが賢明でしょう。


今後は、商品やサービスの価格は円建ては相対価格に過ぎないので、それをドル換算した「絶対価値」を掴むようにしたほういいでしょう。
さらに、すべての資産(現金預金・有価証券などの金融資産、不動産・貴金属・車などの現物資産)
を円建ての相対価格ではなく、ドル建ての絶対価値に換算してから、殖えた減ったを論ずるようにしましょう。






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