概要は次のようなものです。
武富士の会長が香港在住の長男(非居住者)に外国会社の株式(
当時の税法の規定においては、「
これに対して税務当局は、
納税義務者の武富士長男は、修正申告に応じるはずはなく、
最高裁まで争われたこの税務裁判において最高裁は、
要約すると以下のようになります。
「一般的な法感情の観点から結論だけをみる限りでは,違和感も生じないではない。
しかし,そうであるからといって,個別否認規定がないにもかかわらず,この租税回避スキームを否認することには,やはり大きな困難を覚えざるを得ない。」
「納税は国民に義務を課するものであるところからして,この租税法律主義の下で課税要件は明確なものでなければならず,これを規定する条文は厳格な解釈が要求されるのである。」
「明確な根拠が認められないのに,安易に拡張解釈,類推解釈,権利濫用法理の適用などの特別の法解釈や特別の事実認定を行って,租税回避の否認をして課税することは許されないというべきである。そして,厳格な法条の解釈が求められる以上,解釈論にはおのずから限界があり,法解釈によっては不当な結論が不可避であるならば,立法によって解決を図るのが筋であって(現に,その後,平成12年の租税特別措置法の改正によって立法で決着が付けられた。),裁判所としては,立法の領域にまで踏み込むことはできない。
」
「後年の新たな立法を遡及して適用して不利な義務を課すことも許されない。結局,租税法律主義という憲法上の要請の下,法廷意見の結論は,一般的な法感情の観点からは少なからざる違和感も生じないではないけれども,やむを得ないところである。」
この確定判決がもたらしたものは非常に大きいものとなりました。
課税するには法根拠の存在が不可欠であり、
また、法に穴があるならば法改正すればいいのだが、その新しい法律を過去に遡って適用することは許されないとも明確に述べられています。
さらに、一旦課税した約1300億円を返すにあたり、その間の利子(
この判決以後、
なお、判決文にもありますように、非居住者に対する国外財産の贈与に対しては、
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