2014年3月14日金曜日

資本主義の本質③


そんなに美味しいならば他人に勧めずにすべて自分が食べればいいではないか?」
にどう回答しますか?
「そんなに一人で食べられないですよ」
ですよね。


じつは
そんなに儲かるならば他人に勧めずにすべて自分がやればいいではないか?」
に対する回答もまったく同じとなります。

「そんなに一人でやれないですよ」


一人の人間の食べる量には限りがあるように、一人の人間(または一つの会社)の持つ資本には限りがあるのです。

そして、自己の資本を越えた規模の事業などを行う場合は、他者に頼らざるを得なくなるでしょう。


これは、他人にも良いことを教えてあげようといういう人間的心理と、他人にも資本分担をしてもらおうという商売的心理が入り交じった行動となります。


美味しいと思えば自分がまず食べる。
自分が満たされたら他人にもこの美味しさを教えてあげたいになるだろう。
人間にはこの分かち合うという本能があるのですから。


また、これは売れる!と思い、作って売るか、仕入れて売るか、斡旋するかという商売っ毛も芽生えるでしょう。


美味しいものや儲かるものは自分がまず食べたりやったりするもの
これは正しい!

ですから事業提案や投資話に対して
「そんなに儲かるならばまず自分がやればいい」
という反論は正しいのです。


しかしながら、美味しさや儲けを独占することは、キャパシティの問題から不可能なのです。


そうなのです。
そんなに儲かるならば他人に勧めずにすべて自分がやればいいではないか?」
ということを質問する側が資本主義を理解しておらず、この質問自体が間違いなのです。


一人の人間が出せる資本(=負えるリスク)には限界があります。
それを越えて事業展開をするには、他人に資本参入(リスク分担)を求めるのはごく自然の流れなのです。
そして、ただ単にリスクを分担して貰える訳はないので、リターン(=儲け)のお裾分けも同時に提案することになります。


つまり資本主義の本質は
『リスクリターンを分担し合う』
ということなのです。


ローソンやセブンイレブンは自分のところでも直営店を抱えています。

不動産業者は賃貸不動産を自らも経営しています。

証券会社は自己売買部門を持っています。

太陽光発電業者は自社でも発電所を保有しています。

 株式会社の創業者は自分でも出資をしています。


このように、美味しいものはみんなまず自分が食べているのです。


自己の資本を越えての事業展開のために、他者にリスクリターンの分担を提案して大きな事業にしているのです。

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