2014年4月29日火曜日

何故、中古のベンツが好まれるのか?

表題のような本が昔あったが、高級な中古車はキャッシュフロー経営には非常に有利です。

車のような有形固定資産(耐久消費財)は支出額が直ちに費用になる訳ではありません。
法定耐用年数に渡る減価償却の手続きによって徐々に費用化されます。
新車の法定耐用年数は6年です。


減価償却には大きく定額法と定率法があります。
定額法は毎期一定金額を償却する方法で、例えば1,000万円の新車ならば毎期その六分の一を均等償却し、毎期の減価償却費は166万円ほどになります。


定率法は毎期一定率を償却する方法で、耐用年数六年の場合の定率法償却率は0.333です。
ですから、同じ車の初年度減価償却費が定率法ならば333万円と定額法の倍を費用計上できます。
このように、定率法のほうが早期に多額の費用を計上して利益を圧縮することが出来るので大変有利です。
(現在、建物に関しては定率法を選択することはできません)


さて、同じ1,000万円の車でも中古車の場合には減価償却費は変わってきます。
法定耐用年数が異なるからです。

中古資産の法定耐用年数は、新品の耐用年数-0.8×経過年数で計算できます。(端数切捨て)
二年落ちの中古車ならば耐用年数は6-0.8×2=4.4→4年となります。
そして、耐用年数四年の定率法償却率は0.500なので500万円を減価償却費として費用計上できるのです。

では、4年経過した車はどうなるのでしょうか。
耐用年数は6-0.8×4=2.8→2年となります。
そして、耐用年数二年の定率法償却率はなんと!1.000なのです。

そうなのです。
4年落ちの中古車は一年間で全額償却出来るのです。

ですから、期首に4年落ちのベンツを1,000万円で購入すればその全額を減価償却費として費用計上できます!
(期中に買った場合は月数案分となります)

これならば、現金で購入しても支出額=費用計上額となりキャッシュフロー経営を阻害しません。

さらに、これを60回払いのクレジットで購入すれば
初年度の支出額は元利合計約200万円 < 費用計上額は1,000万円。

なんと!現金支出の5倍もの費用を計上できるのです。
実に合理的なキャッシュフロー経営となります。


2014年4月28日月曜日

黒字倒産はなぜ起きるのか?

会計上利益が十分に出ている黒字であるにも関わらず、企業は倒産することがあります。

黒字倒産はたいてい法人税などが支払えないことが原因で引き起こされますが、何故に黒字なのに税金が払えなくなるのでしょうか?


世界一と言われる日本の法人税ですが、さすがに税率100%を超えることはなく現在の実効税率は40%を切っています。
ですから、もし利益=収入-支出であれば40%税金を支払ってもまだ60%が手元に残ることになります。
一億円の利益ならば、四千万円の税金が支払えないなんてことはないはずなのです。


しかしながら、実際には、利益は収入-支出で求められるのではなく、収益(売上)-費用で算出されます。


そうなのです。
収入-支出という収支計算で手元に残るキャッシュフローと、収益(売上)-費用という損益計算で算出される会計上の利益には大きな「ズレ」が生じるのです。
(さらに、会計上の利益と法人税法上の所得にもズレはありますが大きくないのでここには触れないでおきます)

このズレのせいで、利益は上がっているのに手元にはキャッシュがまったくないという現象が起きます。


そのズレの主な原因は次の三つになります。

①収益≠収入
商品やサービスを売った時点で売上収益を計上しなければなりませんが、世の中のほとんどが掛け取引のため現金収入が入ってくるのはずいぶん後になることが多々あります。
一方、法人税等は決算日の二か月後までに「現金一括支払い」を要求されます。

売掛金が現金収入化する前に納税期が来た場合、先に税金を支払うことになるのです。


②仕入れ支出が全部費用になる訳ではない
仕入れた商品や製造した製品のうち、実際に売れた分だけが「売上原価」という費用になります。
つまり、期末に在庫として売れ残った分は資産計上しなけばならないので、現金資産以外が利益を構成してしまうことになるのです。


③固定資産の支出額が全部費用になる訳ではない
機械、工場、車などに要した支出は、その支出時に一括で費用処理されるのではなく、一旦資産計上して減価償却の手続きによって毎期少しづつ費用化していくことになります。

例えば、1,000万円で新車を購入した場合は6年の定率法償却率0.333を乗じた333万円が初年度に減価償却費として費用化できるだけです。
しかも、期首に買えば333万円を費用に出来ますが期中に買えば月数案分となり、期末に買った場合はその12分の1の27万円ほどしか費用に計上できません。

このように、過大な固定資産があると現金資産以外が利益を構成することとなり、税金が支払えなくなるのです。


ではどうすればいいのでしょうか?
「キャッシュフロー経営」をやればいいのです。

①確実かつ早い売掛金の回収を心掛ける。
②在庫を持たない経営をする。
③固定資産を極力減らす。
どうしても持たなければならない固定資産はクレジットやローンを活用して、費用計上額を現金支出が上回らないように工夫する。


新車を現金で買うような経営者は、キャッシュフロー経営がまったくわかっていないのです。






2014年4月10日木曜日

消費税を負担している人③


収入に消費税がくっついて来る人は、それをやりくりしているだけで新たに消費税を産み出している訳ではない。
ですから、事業者は消費税を負担していないのです。

消費税を負担しているのは、収入に消費税がくっついて来ない人達です。


その一つ目がサラリーマンで、二つ目は年金生活者でした。

では最後の三つ目は何だと思いますか?


答えは、賃貸住宅経営者です。

居住用の家賃は消費税非課税です。
賃貸マンションなどに住んでいる方は、賃料の消費税を支払ったことないですよね?
今回の消費税増税において特に実感できたことでしょう。


賃貸マンションのオーナーから見ると、家賃収入には消費税がくっついて来ないということなのです。

収入に消費税はくっついて来ませんが、オーナーが経費を支払うときには当然消費税を併せて支払わなければなりません。

ですから、賃貸住宅オーナーは新たに消費税というものを産み出しているのであり、負担しているということなのです。


以上、収入に消費税がくっついて来ずに消費税を負担している人は、
①給与所得者
②年金生活者
③賃貸住宅経営者
でした。

消費税を負担している人②


事業者(法人と個人事業主)の収入には消費税がくっついて来ます。

このくっついて来た消費税を仮受消費税と言います。
事業者は経費を支払うときに消費税を合わせて支払います(仮払い消費税)が、仮受消費税をやりくりしているだけで、負担をしている訳ではありません。



一方、世の中には収入に消費税がくっついて来ない職業の人もいます。
彼らがお金を使うときにも当然消費税を併せて支払います。

収入には消費税がくっついて来ずに、支出には消費税がくっついている。
こういう人が、新たに消費税というものを産み出しているのであり、まさに負担しているのです。


収入に消費税がくっついて来ない人達は、大きく分けると三種類になります。


消費税を負担している人①では、給与所得者を取り上げました。
給料収入には消費税がくっついて来ません。
ですから、全国のサラリーマンが第一の消費税の負担者なのです。


第二の負担者は年金生活者です。
年金収入には消費税がくっついて来ませんからね。

2014年4月9日水曜日

保険業界に激震走る!

今年、衝撃的な通達が出されました。


保険代理店所属の保険募集人として登録できる使用人登録基準から(3)が削除されることになったのです。
(下記参照)
約1年の猶予期間後に、委託型保険募集人は一切認められなくなるわけです。


これは、業務委託や請負は再委託とみなされ、実質的には二次代理店と判断されたということでしょう。


しかも、一切の既得権はありませんので、多くの募集人が職を失うことになるでしょう。
このことに関しては、是か非かはあえて論じずに事実だけを伝えることにしました。



(雇用形態による使用人登録基準)

第2条    生命保険募集代理店の使用人としての募集人登録は、以下の基準のいずれかを満たした者に限る。

(1)当該代理店に雇用されている者(賃金が支払われていることが条件)であること。雇用されている者には、6ヶ月以上継続して雇用されている、または6ヶ月以上雇用が見込まれる契約社員・嘱託社員・パート社員・アルバイト社員等の名称を問わず有期雇用の者並びに間接雇用の派遣社員も含む。

(2)個人代理店で店主と生計を一にする配偶者その他の親族に対して賃金を支払っていない場合、次の条件をすべて満たすことを条件に使用人登録を可とする。

ア.代理店の事務所に勤務していること

イ.代理店の指示・管理のもとで生命保険の募集を行うこと

ウ.専ら代理店の事業に従事し、専ら従事することが妨げられるような他業がないこと

事業に従事するとは、専ら従事する期間が年間を通じて6ヶ月を超えることをいう。

(3)業務委任契約・請負契約等の契約形態により使用される場合、下記の条件をすべて満たす場合は使用人登録を可とする。

ア.募集業務について代理店の管理に服する旨を同意していること

イ.代理店の管理の下での募集活動に支障をきたすような他業がないこと

ウ.代理店が使用人に報酬の支払をしていること

エ.使用人が募集業務を行った場合に、代理店に対して業務遂行状況の報告をしていること

オ.代理店が使用人の業務を評価し、報酬を増減する権限があり、明確にされていること

カ.代理店と使用人の間に募集業務に関して管理に服さない場合の対応が明確にされていること
     キ.代理店と使用人の間で募集業務に関する打ち合わせを事務所またはそれに代わる場所で定期  的に行っていること





2014年4月6日日曜日

国外犯処罰規定

日本国民が海外で殺人を犯した場合、日本の法律で罰せられると思いますか?




この答えはイエスである。






では、日本国民が海外で賭博を行った場合、日本の法律で罰せられますか?




この答えはノーとなります。




この違いは何でしょうか?




基本的に日本の法律は属地主義の立場を取っていて、国内での行為に対して効力があります。


ところが、一部の法律には日本国民が海外で行った行為に対しても処罰規定が設けられています。
これを国外犯処罰規定と言います。




では、どんなものに規定があるかを見てみると、刑法においては殺人・傷害・放火・強姦などです。


一方、賭博禁止法には国外犯に対する規定がありません。






総じて考えてみると、世界中のどこにおいても道徳的・倫理的に犯罪となるようなものには国外犯処罰規定があり、日本では禁じられているが諸外国では禁じられていないものにはその規定がないと分析できます。






ですから、日本人がラスベガスやマカオでカジノに興じても日本の法律は適用されませんし、「済州島やウォーカーヒルで楽しもう」のようなツアーを企画開催しても問題はない訳です。


日本では拳銃の所持を認めていませんが、米国では認められていますのでここにも国外犯規定はなく、グアムなどで実弾射撃に興じても問題はありません。








では、日本国民が海外の生命保険や損害保険に加入することはどうでしょうか?


保険業法186条では、これを禁じていますので、日本国内において海外の保険に加入することはこの法律に抵触します。


ところが保険業法においては第331条の2で国外犯について規定されており、186条は対象外です。


第331条の2(国外犯)

第322条から第324条まで、第326条第327条第328条第1項第329条第1項及び前条第1項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。
2.
第328条第2項第329条第2項及び前条第2項から第4項までの罪は、刑法第2条の例に従う。

ですから、保険業法186条に関しては国外犯処罰規定はそもそもないので、海外に渡航しての保険加入はこの法律の規制を受けないのです。


国外犯処罰規定、調べるとなかなか興味深いものでした。

2014年4月1日火曜日

幻の資産②


国には一千兆円もの借金があり、一方で国民には一千兆円の個人金融資産がある。

何故このようなことになっているのか?
詳しくは拙著「億の富の作り方」で述べていますが、簡単に説明すると以下のようになります。


この国が借金まみれになったのは、国民から徴収する税金額が少なかったからです。


一方、国民がせっせと預貯金が出来たのは税金が安かったからなのです。


昔から消費税20%などで所得税住民税も高かったら、国民は余裕がなく個人資産を築くことが出来なかったでしょう。
その代わり、この国は無借金経営が出来たことでしょう。


そうなのです。
誰が考えたか知りませんが、今の状態はわざと作られたのです。


税金を安くしておけば、国民は勤労意欲が湧き、余りをせっせと金融機関に貯蓄してくれる。
そして、そのお金を国は借り放題という仕組みを作ろう。
という企みです。


表向きは税金が安く個人資産が持てるので、日本はいい国だ!
自民党はいい政党だ!
と国民は思わされた訳です。


ところが、実体は個人金融資産は国が借り尽くして、すでに使い果たしているのです。


そうなのです。
国民の金融資産なんて最初から本当は幻だったのです。
銀行には数字があるだけで、お金が有るわけではありません。


昔から適正な税金を課せられていたら、国は無借金で国民は個人金融資産などないのです。

そして、それが真のこの日本の姿なので、個人金融資産は幻であると言わざるをえないのです。


では、今通帳に記載されている預金残高は幻だからと諦めるのか?
諦められるのか?

 次回は幻の資産を現実の資産に変える方法を考えてみましょう。

幻の資産


 国の借金が一千兆円を越えました。


一方、国民の金融資産が正味約一千兆円(資産1500兆円-住宅ローンなどの負債500兆円)あります。

これは、国民の金融資産(預貯金・保険・年金など)がすべて、国に間接的に借りられている状態を示しています。

本来ならば、この状態は新発日本国債の引き受け手がいない状態を指します。
金融機関にある国民のお金が既に国にすべて借り上げられて、すっからかんになっているはずだからです。


では何故、今年も来年も新たに国債を発行して、金融機関がそれを引き受けることが出来るのでしょうか?

それは、日銀が金融機関の保有する既発債をバンバン買い上げているからです。
こうすれば、銀行には常に新しい資金が流入し、新発債を購入出来ます。

これが量的緩和なのです。
日銀が政府から直接新発債を購入することは禁じられています。
しかしながら、日銀が銀行から既発債を買い上げて、そのお金で銀行が国から新発債を買うのは結局、間接的には同じことです。


多くの国民は日銀の量的緩和は2%のインフレ率達成のため、つまりはデフレ脱却という経済対策と信じておりますが、本当の目的はおそらくは違うでしょう。

そうです。量的緩和の目的は国債を発行するためなのです。


日銀は円(お金)を発行できます。
その日銀が既発国債を買い上げて、金融機関に円を回し、金融機関がその円で新発国債を買う。
これを永遠に繰り返せば、政府は永遠に国債を発行して資金調達が出来るという訳です。




何のことはない、国民という財布を使い果たした政府が、今度は日銀という財布を得たということなのです。


 量的緩和を続けていくと、円がどんどん過剰供給されて円の価値が暴落していく円安インフレとなります。

これは国民の金融資産が徐々に失われていくことを意味します。


量的緩和は景気上げと経済成長のためと信じこんでいた人々は、まさにおめでたいということになるでしょう。

このままでは、今有している預貯金や保険資産や年金資産は、円安と共にどんどん価値が低下して、いずれは幻の資産となってしまいます。


というよりも、今現在でも国民の個人金融資産などというものは本当は幻であり、実際には元からないものだったのかもしれません。
長くなったので続きは次回で。