2014年11月14日金曜日

絶対価値と相対価格② 不動産とローン

今後も金融緩和が継続されて、どんどん円の価値が下がっていくという前提でのお話となります。


手元に1億円というお金があったします。
このままでは資産価値が減っていってしまいます。
そこで、これを少し前に1$=100円のレートで100万ドルに替えていたとしましょう。


今、1$=115円となりましたが、100万$という絶対価値は変わりません。
それを円に換算した相対価格が1億1,500万円になったというだけです。


今後、もし1$=200円となっても、絶対価値は100万$と変わりません。
もちろん、相対価格は2億円になりますが、これは資産が殖えたわけではないのです。
(100万$を運用して、例えば120万$とかにしていれば殖やせたことになります。)

ドルを買う代わりに1億円で日本の不動産を買った場合も同じとなります。
100万$という不動産の絶対価値は変わりませんが、1$=200円になると円での相対価格は2億円となります。
これも、資産が殖えたわけではありません。
(移民政策実施目途などにより、人口増加が見込めることとなったために不動産の絶対価値が上昇した場合は資産が殖えることになります。)


一方、1億円を1億円のまま放置していれば、1$=200円になった時には資産の絶対価値を半分に減らしてしまったことになります。


このように、円のまま放置すると資産は減り、ドルや不動産に替えれば殖えはしないが減らさずに済むので、これだけでも資産保全としては十分な効果が見込めます。



ところが、ドルや不動産を買うだけで資産を大きく殖やせる、あるいは、ゼロから資産を生み出せる錬金術があるのです。
それは、借入を活用することです。


分かり易く、ドルを買うことから説明します。
銀行などから1億円を借りて、その1億円を1$=100円で100万$に替えたとします。
そして、やがて1$=200円となったら、資産は相対価格2億円となります。(絶対価値は100万$)
それに対して、借金1億円の相対価格は1億円のままです。決して2億円になることはないのです。
そこで、100万$のうち50万$を円に替えて(相対価格1億円)、1億円の借金を全額清算するとどうでしょうか?
手元に、50万$(相対価格1億円)が残りますよね。

これは、資産を生み出した(あるいは大きく殖やせた)ことになるのです。


ただし、ドルを購入するために銀行はお金を貸してはくれません!


しかしながら、不動産購入資金ならば、融資してくれるのです。
1億円を銀行から借りて不動産を購入し、円安インフレが進行すれば不動産資産の相対価格は上がりますが、借金の相対価格はそのままです。
ですから、不動産の絶対価値は上がらなくても、資産-負債で計算される純資産を増やすことが出来るのです。



これが、今の日本での不動産投資の本当の旨みであり、不動産投資は借入を活用することに大きな意味があるということなのです。






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